#20 TypeScriptで学ぶ関数の応用(デフォルト引数・可変長引数)の基本
TypeScriptで関数を書いていると、「引数を渡さなかったときは決まった値を使いたい」「いくつ渡されるか分からない引数を受け取りたい」という場面によく出会います。今回はそんなときに役立つ「デフォルト引数」と「可変長引数(レスト引数)」という2つの機能を紹介します。どちらも、関数をより柔軟で使いやすくするための仕組みです。
デフォルト引数とは
「デフォルト引数」とは、関数を呼び出すときに引数を省略した場合に、あらかじめ決めておいた値(初期値)を自動的に使ってくれる仕組みです。呼び出し側が毎回すべての引数を指定しなくてもよくなるので、関数を使う側の手間が減ります。
書き方はとてもシンプルで、引数の後ろに = 初期値 を付けるだけです。
function greet(name: string, greeting: string = "こんにちは"): string {
return `${greeting}、${name}さん!`;
}
console.log(greet("田中")); // こんにちは、田中さん!
console.log(greet("鈴木", "おはよう")); // おはよう、鈴木さん!
上の例では、greetingに値を渡さなければ自動的に「こんにちは」が使われます。JavaScriptにも同じ書き方のデフォルト引数はありますが、TypeScriptでは型注釈と組み合わせられる点がポイントです。型注釈とは、その変数がどんな種類のデータかを示すラベルのようなものです。greeting: string = "こんにちは"のように書いておけば、「greetingは文字列型で、省略時は"こんにちは"になる」という情報がコード上ではっきりします。
なお、デフォルト引数は必ず引数リストの後ろの方に置くのが基本です。省略できない引数を先に、省略可能な引数を後にする順番を意識すると、呼び出し側も迷いにくくなります。
可変長引数(レスト引数)とは
「可変長引数」とは、いくつ渡されるか事前にわからない数の引数を、まとめて1つの配列として受け取る仕組みです。TypeScript(JavaScript)では「レスト引数(rest parameters)」と呼ばれ、引数名の前に ...(3つのドット)を付けて表します。
function sum(...numbers: number[]): number {
return numbers.reduce((total, n) => total + n, 0);
}
console.log(sum(1, 2, 3)); // 6
console.log(sum(10, 20, 30, 40)); // 100
このsum関数は、引数を2個渡しても5個渡しても、渡された数だけ順番に処理してくれます。渡された引数はnumbersという1つの配列にまとめて格納されるので、reduceのような配列用の便利なメソッドをそのまま使えます。
C言語やJavaのように、可変長引数を実現するための特別な構文を別途覚える必要がある言語もあります。一方TypeScriptでは、配列の型注釈(number[]など)をそのまま流用できるので、配列の操作に慣れていれば違和感なく使い始められるはずです。
レスト引数を使うときの注意点
レスト引数は必ず引数リストの一番最後に置く必要があります。これは、コンパイラ(TypeScriptのコードをチェックし、実行できる形に変換するプログラム)が「どこまでが決まった引数で、どこからが可変長部分か」を正しく判断するためのルールです。
// OK: 決まった引数 → レスト引数の順番
function announce(prefix: string, ...items: string[]): string {
return `${prefix}: ${items.join(", ")}`;
}
もし「決まった引数」と「レスト引数」を逆の順番で書こうとすると、TypeScriptがエラーを出して教えてくれます。慣れないうちはエラーメッセージに戸惑うかもしれませんが、これはミスに気づかせてくれる親切な機能だと捉えると気が楽になります。
2つを組み合わせて使う
デフォルト引数とレスト引数は同じ関数の中で一緒に使うこともできます。
function makeMessage(name: string, tag: string = "お知らせ", ...tags: string[]): string {
return `[${tag}] ${name}さん ${tags.join(" / ")}`;
}
このように書けば、「名前は必須、タグは省略可、追加のタグは何個でも受け取れる」という柔軟な関数が作れます。実際の開発でも、設定を細かく調整できる関数を作りたいときによく使われる組み合わせです。
まとめ
今回は、TypeScriptの関数をより便利に使うための「デフォルト引数」と「可変長引数(レスト引数)」を紹介しました。デフォルト引数は「省略時の初期値」を、レスト引数は「数の決まっていない引数」を扱うための機能で、どちらも呼び出し側のコードをすっきりさせてくれます。TypeScriptでは型注釈と組み合わせて使えるので、関数がどんな引数を期待しているかがコードを読むだけで伝わりやすくなるのも嬉しいポイントです。最初は覚えることが多く感じるかもしれませんが、実際に自分の手で小さな関数を書いて試してみると、少しずつ自然に使えるようになっていきます。
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